個の経験とチームのナレッジでサポート品質を高める
【LifeKeeperのプロフェッショナルたち #3】HAクラスターソフト「LifeKeeper」を世の中に送り出す、サイオスのプロフェッショナルチームに迫るシリーズ。連載第3回に登場するのは、お客様の課題を迅速かつ的確に解決する、第1事業部 テクニカルサポート部の佐藤義朗です。
ピープル2016年12月21日
短時間での解決を目指す仕組み
― LifeKeeper製品におけるテクニカルサポートの役割は?
佐藤:私たちの仕事の最優先事項はお客様の問い合わせに、迅速かつ的確に回答することです。
サポートに寄せられる問い合わせの数は毎月だいたい数百件ほどになりますが、迅速かつ的確に対応することで、お客様をお待たせすることなく解決することができます。
問い合わせを受けたら、問題の事象を引き起こしている原因を突き止め、責任範囲を切り分けた上で一つひとつ確実に解決することを心がけます。次に、再発防止や問い合わせ件数の削減のため、定例会議などを通じて、製品開発サイドに情報をフィードバックし、機能や品質の向上につなげます。
製品に好印象をお持ちでもサポートの対応がまずく不満が生じたら、お客様は他の製品に乗り換えてしまうかもしれない。そういう意味では、サポート業務もLifeKeeper製品全体を構成する一部であり、お客様と直に接する大切な役割を担っているんだと責任を感じながら職務に臨んでいます。
― 迅速かつ適切な回答を行う上でポイントになるのは何でしょうか?
佐藤:まず、迅速な回答に向けた取り組みですが、LifeKeeperサポートチームで目指しているのは、お客様の問い合わせが入ってから1営業日以内で回答することです。
問い合わせのレベルは軽微なものから重大なものまであります。過去のドキュメントやチームメンバーの持つナレッジの範疇で対応できるレベル、ユーザー企業やパートナー企業から提供していただくログデータを分析していく必要のある問い合わせ内容もあります。
迅速な回答でポイントになるのは、サポートチームおよび製品を開発する部署との連携です。初動対応がカギになるので、チームの一人ひとりが、お客様からのお問い合わせが入った際に指示を待つのではなく、「この問い合わせは私が調べてみます」と自ら率先して名乗りを上げるように努めています。
「予断を持たず、かつ想像力を働かせながら真因を突き止めることが解決につながります」という第1事業部 テクニカルサポート部の佐藤義朗
佐藤:回答の質を向上させる取り組みですが、テクニカルサポートでは、週次の改善会議など定期的なミーティングを通じて、お客様への回答の振り返りや対応策に関する情報をチームメンバーや関係部署と共有し、最適な尋ね方、こちらからの回答方法などを検討しています。困っているお客様への確認のポイントや順番を間違えると、すぐに回答できるものが遠回りになってしまうこともあるからです。
LifeKeeperのサポートは、日本だけでなく、米国子会社(SIOS Technology Corp.)のスタッフとも連携し、24時間体制で行われています。米国との間でも同様に情報共有し、お客様のサービスを支えるシステムにいつ支障が出て問い合わせが来ても、対応をスムーズに引き継げるようにしています。
チーム一丸になって改善に取り組んできた結果、LifeKeeperのパートナー各社から「サポートの回答が早くて助かっている」との言葉をいただくこともありました。そんな時は本当に嬉しいですね。
思い込みをせず冷静に事象を見つめる
― サポートには製品知識だけなく、経験も必要なのでは?
佐藤:最初、慣れないうちは難しいと感じることもありました。私はサイオスに入社してLifeKeeperの開発やシステム構築を担当しました。テクニカルサポートではその知識がとても役立っています。
製品を導入されたユーザー企業とパートナー企業専用にはWebフォームを用意していますが、サポートの現場では、このWebフォームからの問い合わせへの対応が中心となります。お客様がご覧になっている実際のシステム画面を見ながらではないので、製品知識が不可欠です。問い合わせ内容によっては、お客様から提供していただいたログと照らし合わせ、真の原因を読み解いていきます。問い合わせ内容に含まれる何気ない一言にも実は様々なヒントがあり、想像力を働かせることがポイントです。
サポート業務で禁物なのは、思い込みです。一見、些細な問い合わせであっても、実はその背後に大きなシステム障害を引き起こしかねない問題が隠れていた、そんなケースも過去にありました。逆に、大量のエラーが通知されて現場は大慌て、でも蓋を開けて冷静に調べると、簡単な設定作業や既存パッチの適用で処置できる軽微な問題だった、ということもあります。一歩引いて必要な手順を確認する慎重さを常に持つようにしています。
LifeKeeperは多くのお客様に長年利用される実績豊富な製品ですから、問い合わせについても過去の事例を参考にすることで解決できるケースがほとんどになります。膨大な事例をまずはチーム内で共有するようにしています。ただ、特殊なシステムを組んでいたり、カスタマイズを施していたりするケースなどで未経験の事象に接することもあります。製品に潜むバグの可能性も考慮して、製品開発チームのメンバーと情報交換しながら解決していきます。
― 佐藤さんにとって、プロフェッショナルであることを意識する瞬間はどんな時ですか?
佐藤:サポートという仕事柄、直接お客様とコミュニケーションをとるため、タイミング的に多少ヒートアップ気味な方と相対する時もあります。「どうしてこうなるんだ!」と、お叱りを受けることから入る場面は少なくありません。口調の激しさに流されず、誠実かつ冷静に、を心がけています。プロとして頼られている私が動揺してしまっては、お客様はもっと不安になってしまいますよね。
また、サポート業務はお客様とのコミュニケーションでは個人が主体ですが、問題を解決するということではチームワークが重要でもあります。新人メンバーには困ることがある場合には独りで抱えてしまわないよう、チーム全体でケアしていきますがこうしたチーム運営などもプロフェッショナルに求められる一つと思います。
LifeKeeper製品を利用していただけるお客様がいる限り、問い合わせはなくなりません。そのためにも、お客様から頼られるサポートチームでありたい。これからもチーム一丸となってチャレンジし続けたいと考えています。
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