検索検索
English

サイオステクノロジーとElasticsearch K.K. 日本における業務提携に関する共同発表会を開催 #1

サイオステクノロジーとElasticsearch K.K.が2024年7月に開催した共同発表会より、サイオステクノロジーの戦略的パートナーとしての思い、RAGへのElastic Search AI Platform適用で日本国内における生成AIの利活用促進への取り組みをお伝えします。

テクノロジー2024年8月 1日

生成AIとサーチ(検索)を組み合わせたRAGに高まる注目度

生成AIのメリットをビジネスでの価値創造や社会課題の解決などに発揮させるうえで、生成AIに情報検索機能を組み合わせたRAG(検索拡張生成)と呼ばれる技術が注目されています。

そうした中、サイオステクノロジー株式会社(以下、サイオステクノロジー)は、米国とオランダに本社を置くElasticの日本法人 Elasticsearch株式会社(以下、Elasticsearch K.K.)との業務提携を発表しました。Elasticがグローバルに提供している「サーチ」「セキュリティ」、そしてシステム運用監視などの「オブザーバビリティ」の3つのソリューションについて、日本国内で共同展開するためです。特に「サーチ」すなわち検索に関する技術やサービスについては、生成AIと組み合わせたRAGへの適用が市場から注目されています。

この日の会見では、サイオステクノロジーは契約締結の背景、今後の展望や事業戦略、RAG構築支援コンサルティングサービスの概要などを説明しました。Elasticは、CEOのアシュ・クルカルニ(Ash Kulkarni)氏(ビデオメッセージで登場)、Vice President, Channels and Alliances, Asia Pacific & Japanを務めるアンドリュー・ハブグッド(Andrew Habgood)氏、Elasticsearch K.K. 日本法人代表の山賀裕二氏が登壇し、APACおよび日本市場における事業戦略や両社の業務提携における期待を述べました。

20240801_SIOS.png
写真:左から、サイオス株式会社 代表取締役社長 喜多伸夫、サイオステクノロジー株式会社 執行役員 青木稔、DXサービスライン エグゼクティブマネージャー 村田龍洋

20240801_Elastic.png
写真:左から、Elastic CEO アシュ・クルカルニ氏、Vice President, Channels and Alliances, Asia Pacific & Japan, アンドリュー・ハブグッド氏、Elasticsearch 株式会社 日本法人代表 山賀裕二氏

生成AIにおけるRAG市場を牽引

まず、サイオス株式会社 代表取締役社長の喜多伸夫は、グループの体制や歩み、本業務提携の戦略的位置付けを説明しました。

「サイオスグループは、オープンソースソフトウェア(OSS)事業を原点とし、社会課題を解決するソフトウェア&SaaSと、システムインテグレーションを提供するテクノロジー企業群です。現在、注力分野のひとつとして生成AIによる事業強化に取り組んでおり、本業務提携はその取り組みの一環になります」(喜多)

サイオステクノロジーは今回、Elasticにおける日本国内初となるディストリビューター契約を締結しました。
サイオステクノロジー 執行役員の青木稔は「ディストリビューションパートナーとして、Elasticとともに生成AIのRAG市場を牽引し、さらなるElasticビジネスの成長を目指します」と述べました。
Elastic認定のトレーニングに加えて、サイオステクノロジーが独自に立ち上げたRAG構築支援コンサルティングサービスやトレーニングを通じて、新規パートナーの獲得と育成を図ると共に、既存パートナーを含めた皆様との協業の中で市場を拡大する考えです。

RAG構築支援コンサルティングサービスについては、サイオステクノロジー DXサービスライン エグゼクティブマネージャー 村田龍洋が説明しました。村田は「RAGを利用することで、生成AIがトレーニングしていないデータについても簡単に、正しく、安価に回答できるようになる」と説明しました。一方でその評価や導入につまずく要因として「評価ではベクトル検索、大規模言語モデル両方に対する深い知見が求められること。導入を成功させるにはキーワード検索との組み合わせ、検索精度を継続監視する仕組みなどが必要です」と指摘しました。

こうした課題に対してサイオステクノロジーでは生成AIを含むソフトウェアやSaaSで培った技術力を生かし「導入プラン作成支援」「PoC支援」「導入支援」の3つのフェーズでサービスを提供し、Elasticの技術を活用したRAGの導入を成功に導きます。

20240801_zu1-Elastic.png
「RAG構築支援コンサルティングサービス」の概要図


後編では、Elasticの日本市場における事業戦略やサイオステクノロジーとの業務提携に対する期待について、お伝えします。

*本記事の内容は2024年7月時点の内容に基づきます。



記事の関連情報