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OSSのカルチャーを通じたマイクロソフトとサイオスのパートナーシップ〔後編〕

【VOICEs - キーパーソン・インタビュー】 エンジニアの「ソウゾウリョク」を刺激する「Microsoft Azure」とそれを活用したインテグレーションの可能性を巡る対談記事「OSSのカルチャーを通じたマイクロソフトとサイオスのパートナーシップ 」の後編です。

テクノロジー2016年5月25日

技術面の情報を発信するエバンジェリスト

OSSのカルチャーを通じたマイクロソフトとサイオスのパートナーシップ〔前編〕からの続き

黒坂:ところで、マイクロソフトでは、「より多くの人にその使い方を教えていく」という伝道師的な活動は家庭にWindowsをもたらした時代から全く変わらないですね。時代とともにその伝え方は大きく変わり、なんと2次元キャラクターまで登場してますが。このクラウディアさんの登場には本当に驚きでした。もちろん戸倉さんの存在も、ですが(笑)。

戸倉:もともと私は、ITセキュリティ業界でエンジニアやマーケティングを担当していました。セキュリティの仕事はITの世界において不可欠なので充実していましたが、何か新しいものを創り出したり、もっとワクワクしたりする仕事がしてみたいと考え、2011年にマイクロソフトに入社しました。テクノロジーの普及促進に努めるエバンジェリストを努めると同時に、Microsoft Azureの公認キャラクターであるクラウディア窓辺の「2.5次元」キャラクターとして社外のさまざまなコミュニティでAzureやOSSの魅力を伝える活動をしています。その縁で、Open Source Conferenceにも登場させてもらいました。

黒坂:日本マイクロソフトさんもよくぞ認めてくれたものですね。

戸倉:クラウディアはもともと日本マイクロソフトが出したAzureの技術解説のためのマンガのキャラクターだったのです。そもそも『あのマイクロソフトが、2次元の萌えキャラを出す』―、そのことが私にも衝撃的でした。マイクロソフトではMicrosoft OSS on Azure技術者向けの情報提供やトレーニング、人材育成などの支援を各種提供しているのですが、その中の代表的な情報発信サイトにMSDN(Microsoft Developer Network)があります。その中に、クラウディアの連載漫画があってそのセリフを入れたりとか、Twitterの運用を担当させてもらったりしました。私自身もキャラクターに扮したりするのが好きだったのです。当初、クラウディアに対して日本法人社内にも色々な意見がありましたが、応援してくれる方も増えてきました。Azureの新たな施策を展開するに当たっての提案も、クラウディアが言ってくれたら、ウンと言ってくれるとか(笑)。

クラウディアは、様々なコミュニティの活動にも登場しています。コミケ(コミックマーケット)もその1つです。コミケは3日間で約20万人もの来場者を数えます。マイクロソフトもブースを出していて、そこに足を運んでくれる大勢の方からたくさんのアンケートを回収できます。実は、そこで使われるアプリも今ではAzure上で運用しています。

黒坂:そういうお話を聞くと、クラウドがここ数年さらなる進展を遂げたことによって、エンジニアの働き方も変わってきていると実感しますね。以前のように、システムを作るのにハードウェアを用意して、ネットワークケーブルを接続して、RAIDを構成して、ソフトウェアをインストールしてというこれまで何日もかかった準備作業は、クラウドであれば数分で終わらせられます。その分、出来上がったインフラプラットフォームの上で、何を表現するかにより多くの時間をかけられるようになりました。やはり、エンジニアという職業は楽しいことに時間をかけたいものですね。

戸倉:そうですね。ちなみに世界中、様々な拠点を結んで開発や運用を行うマイクロソフトでは、メンバーのバックグラウンドにあるカルチャーなどの多様性に対して寛容な一面があります。CEOがサティアに変わって、さらにそれが明確になったと思います。私自身も自分自身の様々なキャラクターを楽しみながら、いろいろなことにこれからチャレンジしたいですね。

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サイオスとはOSSユーザーの支援はじめ多様なレイヤーで協業

― マイクロソフトではパートナー向け、特にISV(独立系ソフトウェアベンダー)に対しては、グローバルにソフトウェアが提供できる仕組みとしてマーケットプレイス(国内ではパートナーソリューションデジタルカタログも併設)を用意していますね。
新井:はい。パートナー企業各社が、自社のプロダクトやOSSを組み合わせたソリューションを、Azure上で展開できる仕組みを提供しています。マーケットプレイスから販売したサービスに対する請求代行もマイクロソフト側が行います。Azureの利用料も含めて、ユーザーに一括で請求することが可能です。
また今後は、Azureとマーケットプレイスを、パートナー企業各社が再販できる仕組みも計画されており、米国ではすでに試験的に取り組みが始まっています。パートナー各社にクラウド管理ポータルをご用意いただき、あたかも自社のマーケットプレイスのようにクラウドサービスをエンドユーザーに提供する仕組みになります。例えばサイオスが、LifeKeeper/DataKeeperのようなプロダクトや、その他にもサイオスが商用サポートをされているNGINX plusやEDBのようなOSSも商材として一覧化した管理ポータルを用意することにより、Azureのクラウドプラットフォームを活用した新しいビジネスを展開することが可能になるわけです。

黒坂:それは素晴らしい取り組みですね。ISVとして大きなメリットですが、システムインテグレーターとしても大歓迎です。毎月発生するクラウド利用料の請求の手間は大きな問題でもありますので。

新井:また日本の法律に沿って利用いただけるという安心感もあるようです。

黒坂:そこは特に日本企業の気にするところでもありますし、情報システム部長を兼任する立場の私としても、その安心感は非常に心強いです。ところで、日本マイクロソフトからみて、サイオスには、どんなイメージを持っていますか。

新井:システムインテグレーター、ISV、かつてはRed Hatの商用サポートや現在ではNGINX plusのサポートまで、非常に様々な顔を持っているな、と思います。

黒坂:実はサイオスはマイクロソフトとの関係も深くて、これまでサイオスではOffice 365の導入案件も数多く手がけてきました。

新井:マイクロソフトはいろいろなレイヤーのパートナーとのビジネスを展開していきたいですね。サイオスのようにインフラに近いSIを提供したり、ISVビジネスを進めたりしている以外にも、マーケティングやDevOpsなど異なるレイヤーや領域でビジネスを展開されているところもあります。そうしたパートナーの皆さんと、エンジニアの働き方を含めた新たな価値を生み出していけると面白いですね。

黒坂:最後に今後、サイオスに期待することはどんなことですか。

新井:先述のように、AzureではOSSのユーザーが増えています。そこをサポートしてほしい人がたくさんいるのでぜひ支援してほしいですね。
さらに、これをきっかけにパートナービジネスを成長させていきたいのでお手伝いさせてください。クラウドを活用したSIやISVの支援も行っていきます。

黒坂:サイオスも是非この領域を盛り上げたいと思っています。これから力を合わせて参りましょう。本日は有難うございました。

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de:code2016が開催(2016/5/24-25)

すべてのITに携わるエンジニアのための年に一度の技術イベント「de:code」。キーノートセッションには、来日するマイクロソフトのサティアCEOをはじめ、まつもとゆきひろ氏などOSS関係のキーパーソンが登壇。Chef/Jenkins/OpenShiftなど、OSSに関するセッションも多数用意されています。一部のイベントの模様はストリーミング配信で視聴することが可能です。サイオスも本イベントをゴールドスポンサーとして応援しています。


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